学校はまだ夏休み前。
でも映画業界は夏の大作が公開を始める時期だ。
宮崎駿監督の新作「君たちはどう生きるか」も公開された。
ナウシカから千と千尋までのようなクラシックなジブリ映画が好きな人。
あるいはそれ以降に散見されるリアリズムを多めに含んだジブリ作品が好きな人。
どちらも正直肩透かしをくらう作品だった。
ただ、引退を繰り返しては撤回して作品を作り続ける宮崎駿の作品だと思えば僕は納得する。
時折挟まれるあまりにも訳の分からない描写に僕は声を押さえてクスクス笑っていた。
今どきの映画はかかる予算が大きい。
それを集めるのも大変だし、もし客入りが悪ければ大赤字で会社が傾く。
そのリスクを避けて複数の会社がお金を出し合う「制作委員会方式」がとられる。
結果としてとがったところのない凡庸な駄作がそこそこの割合で見られる。
船頭多くして船山に上るというやつだ。
今回の作品はジブリが自分たちだけで作り、予算を押さえるために宣伝も控えた。
これが出来るのは押しも押されぬ大巨匠だからだろう。
そう考えると感慨深いところも多い。
宮崎駿が自分を主人公と彼に間接的に影響を与える人物に投影しているものだった。
その辺りも、老境にある自身の人生を振り返ったものなのだろう。
これをまだ発展途上の監督が作ったら、ボロクソに叩かれておしまいだ。
そもそも企画段階で絶対に止められる。
やっぱりわがままを通すには力が必要なのだ。
というわけで、珍作怪作に興味がある人や宮崎駿に興味のある人は見てもよいかと。
神奈川県相模原市中央区矢部 数学特訓 青木学院です。